甘くておいしい、そして見た甘くておいしい、そして見た目もかわいい”いちご”。スーパーでも人気の果物ですが、最近では「いちご農家になりたい!」という新規就農者も増えています。
でも実際のところ、儲かるの?成功する確率はどれくらい?初期投資は?……そんな疑問に、ざっくばらんに答えていきます!
いちご農家の成功率ってどうなの?
農林水産省のデータによると、就農10年以内の新規参入者のうち「農業だけで生活できていない」と答えた人はなんと75.5%!

えっ、そんなに!?……夢だけじゃ食べていけないんだね
ただしこれは農業全体の話。いちごは比較的高収益が見込める作物です。
特に観光農園や直売所との組み合わせができれば、収益性はぐんと高まります。
また、販路を工夫することで販売単価を上げることも可能。
栽培技術とマーケティング力の両方が成功のカギになります。
成功率を上げるには、以下のような取り組みが重要です:
- 農業法人や研修機関で最低1年は学ぶ
- 作業の見える化・経費の管理を徹底する
- SNSなどを活用してブランドを作る
- 作業を家族・パートとシェアして効率化する
- 市場価格に振り回されずに販売先を確保する

農業って“作る”だけじゃなく、“売る力”も大事なんだね
初期投資はいくら?
いちご農家の初期費用は、ハウス栽培(高設栽培)を前提とすると約1,300万〜2,200万円が相場です。
主な内訳(10a=約1,000㎡規模)
- ハウス建設費:1,000〜1,500万円
- 設備(苗・資材・冷蔵庫・ICTなど):300〜700万円
- その他:給水設備、苗冷蔵庫、培土、トンネル資材なども必要
このほかに「営農指導費」「地域との調整コスト」など、意外と見落としがちな経費もあります。

え、家が建ちそうな金額……
まさにその通り。農業のスタートには設備投資が不可欠。そのぶん、補助金や融資制度の活用が重要です。
年間収益はどれくらい?
収益は地域や技術力、販売ルートによって大きく変わりますが、目安は以下のとおりです。
栃木県の例(1aあたり)
- 1年目:赤字(収量60kg)
- 2年目:270万円(400kg)
- 3年目:340万円(450kg)
長崎県の例(10aあたり)
- 1年目:5万円(1,000kg)
- 2年目:150万円(3,000kg)
- 4年目:325万円(5,500kg)
岡山県の例
- 10aで年間売上約500〜700万円(ブランドいちご+直売)
- 観光農園併設でさらに300〜400万円の上乗せも
利益としては、売上の5〜6割が目安と言われます(残りは苗・資材・人件費など経費)。
使える補助金・支援制度まとめ
補助金名 | 支援内容 |
---|---|
農業次世代人材投資資金 | 最大750万円(生活費支援) |
産地生産基盤パワーアップ事業 | 設備費用の1/2〜1/3補助 |
高度化施設園芸推進事業 | ICT機器等に最大1/2補助 |
地域独自の補助金 | 市町村によって20〜500万円程度 |
経営継承・農地マッチング事業 | 農地や施設の譲渡支援、家賃補助など |
補助金申請には、以下のようなステップが必要です:
- 営農計画の作成
- 自治体やJAとの面談
- 書類審査と事前審査会
- 採択後の実施・報告書提出

補助金って申請すればすぐもらえるわけじゃないんだ…!
融資も活用できる!
日本政策金融公庫や農協(JAバンク)では、新規就農者向けの融資制度が充実しています。
- 無担保・無保証で借りられる制度もあり(青年等就農資金など)
- 金利0.2〜1.0%前後の低金利融資が可能
- 自己資金は1〜2割必要な場合が多い
農業向けのビジネスプランを提示できると、融資審査がスムーズです。

銀行と農協、どっちに相談したらいいの?
両方おすすめです。
公庫・JA・信金などを組み合わせて協調融資するケースもあります。
資金シミュレーション(初期投資2,000万円の例)
資金項目 | 金額 | 備考 |
設備投資総額 | 2,000万円 | ハウス・資材・ICTなど含む |
設備補助金 | ▲750万円 | 補助率1/2で試算 |
生活支援金 | ▲最大750万円 | 年150万円 × 最大5年 |
自己資金 | 300万円 | 理想的なライン(融資審査が通りやすい) |
公的融資 | 約200〜300万円 | 不足分を融資でカバー |
設備補助金は一部後払い方式のため、着手前に事前計画が超重要です!
成功事例を見てみよう!
① 栃木県「岡本いちご園」さん
- 元営業職からの転身。
- 農家を第三者継承。就農2年目で18a規模、年収1,600万円超!
- SNSやネット直販を活用し、売上を安定化。
② 茨城県「村田農園」さん
- 47棟のハウスに自動灌水設備導入。
- 都内百貨店に高級果実として納品し、ブランド化成功。
③ 奈良県「中井農園」さん
- 補助金を使って冷凍技術導入。
- 加工用いちごでロス削減し、飲食店とコラボ商品展開。
④ 高知県「はなもも農園」さん
- 観光農園とカフェを併設。いちご狩り×スイーツ提供で観光客を誘致。
- 売上の半分以上が農業外収入に!

6次産業化すれば、農業もサービス業に変身できる!
高収益が見込める他の農業ジャンルは?
いちご以外でも、収益性が高いとされる農業はあります。
作物 | 特徴 |
シャインマスカット | 高単価。施設導入に初期費用大。輸出も有望 |
ミニトマト(高糖度) | 通年生産が可能。ブランド化しやすい |
ブルーベリー | 観光農園・加工用に人気。省力型品種あり |
ハーブ・薬用植物 | ニッチ市場。美容・健康ブームで需要拡大 |
高級メロン・スイカ | 贈答品市場向け。管理難易度は高いが利益大 |
複数の作物を組み合わせて「リスク分散型農園」を目指す人も増えています。
最後に:成功するための5つの鉄則
- 農業研修で技術を学ぶ(1年以上がおすすめ)
- 販路は直販・ネット通販・観光農園など多様に
- ICTや高設栽培など先進設備も検討
- 補助金・融資制度をフル活用
- 営農計画をしっかり立てる(収支・資金・人手)
農業は「自然が相手」の仕事。
天候や病害虫、相場の変動など不確定要素も多いため、複数年計画で腰を据えて取り組む姿勢が大切です。
夢のあるいちご農家。でも現実的に成功するには、下調べと計画が命! 「やりたい」だけじゃなく、「どうやるか」を考えるのがスタートです。

よーし、まずは研修先を探してみようかな!
あなたのいちご農業デビュー、応援しています!🍓
コメント